選挙に燃える弁護士たち
弁護士会では、今、選挙シーズンの真っ只中です。全国の弁護士が所属する日本弁護士連合会(日弁連)と、東京に三つ、北海道に四つ以外、各府県に一ずつある弁護士会の会長・副会長などの役員を決める選挙です。
日弁連会長の任期は2年(副会長は1年)、各弁護士会の会長の任期は1年で、今年は日弁連会長の選挙がない年に当っています。
一般になんとなく業界団体の役員選挙と言えば、代議員が根回しずみの会合で形ばかりやっていたり、なかには実質、終身会長が織り込みずみだったり、なあなあだったり、まあ、やるとしても業界内でこじんまりやってるんだろ、みたいな印象をもたれているかもしれせんが、弁護士会に限って言えば、まるでこれが違います。
最初にことわっておきますが、各弁護士会といっても、今年1月1日現在、その人数は最大の東京弁護士会の6437人から、函館弁護士会の39人まで大きな開きがあります。また別の回で書こうと思いますが、弁護士はくっきりと都市部に集中している職業なのです。
実は、地方の小・中規模の圧倒的多数の弁護士会では、選挙といっても、事前の話し合いなどで、無投票で決着しています。小さな会では、お役目的に持ち回りで決まっていたりします。投票にもつれ込むのは、ほとんど会員数が多い東京の3弁護士会や大阪などの大・中規模の弁護士会です。
普通の業界団体と「まるで違う」というムードがあるのは、とりわけ日本弁護士連合会と、その東京など大都市会の選挙のことなのです。
「永田町並みに、ギラギラしている」
かつてこの弁護士会の選挙の様子を見た国会議員が、こんなことを言ったそうです。
とにかく良い意味でも悪い意味でも、本格的な選挙をやります。弁護士会は強制加入団体であり、弁護士は必ず各弁護士会に所属しなければならず、その会員であると同時に、日弁連の会員でもあり、正副会長などを直接選挙で選びます(日弁連副会長は代議員会で選出)。公示して、選挙公報で政策を打ち出し、候補者とその陣営は、選挙事務所を作り、会員への電話攻勢をかけたりします。かつて、東京の選挙で、選挙カーまで繰り出した人がいました。もっとも有権者は弁護士なので、霞が関の弁護士会館周辺しか意味をなさない選挙カーなんですが。
今年のように、日弁連会長の選挙年ではない年は、各弁護士会とのダブル選挙となる年よりは、全国的に選挙ムードは全般的に穏やかになる傾向もあります。
全国の会員に直接働きがけをしなければならない日弁連会長選については、政策提案と自己紹介のために全国行脚をしたりします。当然、おカネがかかります。行く先々で夜な夜なの接待会合もあり、かつては有力者などへの実弾(おカネ)も飛び交ったといいます。おカネがあんまりかかるんで、候補者が実家の山をうったとか、そんな話までありました。
都市集中ならそこだけ押さえればいいじゃないか、なんでそんなに全国制覇に躍起になるんだ、と思われるかもしれません。日弁連会長の当選には、最多得票とともに、全国の3分の1の弁護士会(18会)で最多票をとらなければならない決まりがあるのです。最多票がとれたけど3分の1がとれなければ、3分の1とれた対立候補との間で再投票となります。まあ、そんなことはないだろ、と思っていたらば、ありました、昨年初めて。
かつての弁護士会には長老支配というものがあり、地方を制するのには、地方の長老・有力者をおさえるというのが定石という時代もありました。これも回を改めて詳しく書きますが、東京、大阪、愛知には、「会派」と呼んでいる派閥もあり、その人的つながりが集票につながったりもします。
今から30年くらい前に、初めて記者として、この弁護士会の選挙を取材した時の印象は、一言で言えば、「不思議な世界」という感じでした。前記したような業界団体内の選挙とは異質の本格的選挙であったことの意外性もありましたが、それよりも、この時ばかりは、普段接しているのとは違う弁護士の顔をみることになったからだろうと思います。
依然として派閥の力がものをいったりする弁護士会の選挙の在り方には、会内にも批判があります。選挙になると、目の色が変わる弁護士の姿は昔も今も変わりませんが、長老支配も含めてだいぶあのころとは、ムードも変わってきてはいます。若手会員の増加で、その動向が選挙結果に大きく影響する時代にもなっていますし、司法改革路線に対する評価という政策的な争点もあります。
いずれにしても、むしろ弁護士会だけは、弁護士らしく、公明正大な選挙に徹することを目指すべきではないでしょうか。いくら本格的でも、ぎらぎらが「永田町並み」なんていわれるのは、やはり弁護士会としては、有り難くない称号のはずです。

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日弁連会長の任期は2年(副会長は1年)、各弁護士会の会長の任期は1年で、今年は日弁連会長の選挙がない年に当っています。
一般になんとなく業界団体の役員選挙と言えば、代議員が根回しずみの会合で形ばかりやっていたり、なかには実質、終身会長が織り込みずみだったり、なあなあだったり、まあ、やるとしても業界内でこじんまりやってるんだろ、みたいな印象をもたれているかもしれせんが、弁護士会に限って言えば、まるでこれが違います。
最初にことわっておきますが、各弁護士会といっても、今年1月1日現在、その人数は最大の東京弁護士会の6437人から、函館弁護士会の39人まで大きな開きがあります。また別の回で書こうと思いますが、弁護士はくっきりと都市部に集中している職業なのです。
実は、地方の小・中規模の圧倒的多数の弁護士会では、選挙といっても、事前の話し合いなどで、無投票で決着しています。小さな会では、お役目的に持ち回りで決まっていたりします。投票にもつれ込むのは、ほとんど会員数が多い東京の3弁護士会や大阪などの大・中規模の弁護士会です。
普通の業界団体と「まるで違う」というムードがあるのは、とりわけ日本弁護士連合会と、その東京など大都市会の選挙のことなのです。
「永田町並みに、ギラギラしている」
かつてこの弁護士会の選挙の様子を見た国会議員が、こんなことを言ったそうです。
とにかく良い意味でも悪い意味でも、本格的な選挙をやります。弁護士会は強制加入団体であり、弁護士は必ず各弁護士会に所属しなければならず、その会員であると同時に、日弁連の会員でもあり、正副会長などを直接選挙で選びます(日弁連副会長は代議員会で選出)。公示して、選挙公報で政策を打ち出し、候補者とその陣営は、選挙事務所を作り、会員への電話攻勢をかけたりします。かつて、東京の選挙で、選挙カーまで繰り出した人がいました。もっとも有権者は弁護士なので、霞が関の弁護士会館周辺しか意味をなさない選挙カーなんですが。
今年のように、日弁連会長の選挙年ではない年は、各弁護士会とのダブル選挙となる年よりは、全国的に選挙ムードは全般的に穏やかになる傾向もあります。
全国の会員に直接働きがけをしなければならない日弁連会長選については、政策提案と自己紹介のために全国行脚をしたりします。当然、おカネがかかります。行く先々で夜な夜なの接待会合もあり、かつては有力者などへの実弾(おカネ)も飛び交ったといいます。おカネがあんまりかかるんで、候補者が実家の山をうったとか、そんな話までありました。
都市集中ならそこだけ押さえればいいじゃないか、なんでそんなに全国制覇に躍起になるんだ、と思われるかもしれません。日弁連会長の当選には、最多得票とともに、全国の3分の1の弁護士会(18会)で最多票をとらなければならない決まりがあるのです。最多票がとれたけど3分の1がとれなければ、3分の1とれた対立候補との間で再投票となります。まあ、そんなことはないだろ、と思っていたらば、ありました、昨年初めて。
かつての弁護士会には長老支配というものがあり、地方を制するのには、地方の長老・有力者をおさえるというのが定石という時代もありました。これも回を改めて詳しく書きますが、東京、大阪、愛知には、「会派」と呼んでいる派閥もあり、その人的つながりが集票につながったりもします。
今から30年くらい前に、初めて記者として、この弁護士会の選挙を取材した時の印象は、一言で言えば、「不思議な世界」という感じでした。前記したような業界団体内の選挙とは異質の本格的選挙であったことの意外性もありましたが、それよりも、この時ばかりは、普段接しているのとは違う弁護士の顔をみることになったからだろうと思います。
依然として派閥の力がものをいったりする弁護士会の選挙の在り方には、会内にも批判があります。選挙になると、目の色が変わる弁護士の姿は昔も今も変わりませんが、長老支配も含めてだいぶあのころとは、ムードも変わってきてはいます。若手会員の増加で、その動向が選挙結果に大きく影響する時代にもなっていますし、司法改革路線に対する評価という政策的な争点もあります。
いずれにしても、むしろ弁護士会だけは、弁護士らしく、公明正大な選挙に徹することを目指すべきではないでしょうか。いくら本格的でも、ぎらぎらが「永田町並み」なんていわれるのは、やはり弁護士会としては、有り難くない称号のはずです。
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