弁護士・依頼者の「お付き合い」パターン
弁護士と依頼者の関係は、もちろん一通りではありません。事案や双方のタイプともかかわってくることですが、それは事案に対する素人と専門家の力関係による位置取りの違いというとらえ方もできます。
「こちらが依頼者。弁護士はこちらが使うものだ」という言葉をときどき企業経営者の方などから聞くことがありますが、弁護士にご縁ががなく、降って湧いたトラブルで弁護士に依頼しなければならなくなった市民の多くは、ただちにこんな心境になれるわけはありません。
そもそもそういう立場に置かれた市民には、専門家に頼りたい、助けてもらいたいという気持ちがあるわけですから、「客」ではありながらも、「先生」にご教示願うという風にとらえてしまうこと自体は自然なことです。
ただ、そこでその位置取りを利用して、威張りくさるか、あるいは市民が法律を知らないことをいいことに、手を抜いたり、適正な解決方法をとらなかったり、カネをとられていたりするというケースがあるのは、ひとえに弁護士側の「質」の問題です。逆に言えば、いかに「質」が担保されていないという状態が、弁護士にアクセスする市民にとっては危険なものか、ということです。
それは前記したような、頼らなければならなくなっているという市民側の立場、弁護士との接触経験が市民側にどうしても少ないという現実、そして、素人と専門家という立場の違いによって、内容の評価がしにくいという要素が絡んでいます。
こうした条件的な話しになると、医者も同じではないか、という人がいます。確かに三番目の市民に知識がないために、専門家の技術的選択に対し、その内容の評価ができない、あるいは劣勢な立場に立たされることは共通しますが、接触経験の蓄積という意味では、市民自身や社会レベルで格段の違いがあり、セカンド・オピニオンを成立させる環境そのものも大きく異なります。やはり、ここは医者と弁護士は同一化できない現実があると思います。
さて、医療過誤にスポットを当てている一般の方のブログで、昨年「弁護士とのつきあい方」というエントリーがありました。このなかで、医療事件の原告と弁護士の関係として、次の4つのパターンが紹介されていました。
①「弁護士は裁判所へのお使い」型
②「弁護士は伴走者」おつきあい型。あるいは、競馬型
③「弁護士に丸投げ」全権委託型
④ 同じ丸投げでも、無理矢理「丸投げさせちゃう」弁護士。全権独裁型
詳しくはお読み頂ければと思いますが、弁護士の方ならば、タイトルだけでも大体想像がつくかもしれせん。このブログ氏の区分を簡単に説明すれば、①は「弁護士はあくまでも『代理』人。裁判のお手伝いさん」。原告が最も主導権を握り、最も負担が大きくなる。前記した「弁護士は使うもの」という発言のパターンですが、だれでもなれるものではありません。②はともに裁判を闘おう、というスタイル。ブログ氏も言いますが、原告・弁護士間の「ベストの関係」ですが実はバランスは難しく、原告側も努力しないと弁護士に手を抜かれることも。
③は、弁護士がすべてをこなす。原告の負担は最も少ないが、結果は運任せ。良い弁護士に当たればいが、「外れ」を引く可能性もあり、その違いが大きい。巧みに弁護士が手を抜くこともできるし、「外れ」を市民側は気が付かないこともある。ブログ氏はこのタイプが一番多いが、「原告が怒りまくるのもこのタイプ」としています。そして、④は主導権を完全に弁護士が奪い、「まあ、見ていろ」という風に勝ちにゆく弁護士。頼りになり、勝率は高いが、こういう弁護士の絶対数が少ないと。
さて、この関係は医療事件に限らず、基本的な裁判に臨む弁護士と依頼者・市民の間で作られる関係のように思えます。そして、増員によって、競争による淘汰が始まろうとしている弁護士との関係、もしくは「質」の保証を二の次に、弁護士を社会に放出するなかでは、②~④のいずれもが市民にとって油断できないものになりかねません。
③では余裕のなさ、経済的に効率がいい仕事を選ばざるを得なくなる傾向、ビジネス化の傾向が強まれば、手抜きのリスクは高まるし、能力が均一化しなければ、より「外れ」を引く可能性は高まります。そして、②④では、いうまでもなく言葉巧みに市民の気持ちを引きつけて、必ずしも裁判や紛争解決を適正・妥当な解決に導けない弁護士たちの影響を受ける形になります。
ブログ氏は、「弁護士を乗り気にさせるのも原告の腕」としていたり、弁護士を「職人」として、大工さんや料理人と同じに、彼らを立てつつうまく使うことを提案しています。それは間違っているとは思いませんが、今、進んでいる「改革」の先にある社会では、むしろ市民がそれをできる関係も環境そのものも、さらになくなっているのではないかという気がするのです。
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そもそもそういう立場に置かれた市民には、専門家に頼りたい、助けてもらいたいという気持ちがあるわけですから、「客」ではありながらも、「先生」にご教示願うという風にとらえてしまうこと自体は自然なことです。
ただ、そこでその位置取りを利用して、威張りくさるか、あるいは市民が法律を知らないことをいいことに、手を抜いたり、適正な解決方法をとらなかったり、カネをとられていたりするというケースがあるのは、ひとえに弁護士側の「質」の問題です。逆に言えば、いかに「質」が担保されていないという状態が、弁護士にアクセスする市民にとっては危険なものか、ということです。
それは前記したような、頼らなければならなくなっているという市民側の立場、弁護士との接触経験が市民側にどうしても少ないという現実、そして、素人と専門家という立場の違いによって、内容の評価がしにくいという要素が絡んでいます。
こうした条件的な話しになると、医者も同じではないか、という人がいます。確かに三番目の市民に知識がないために、専門家の技術的選択に対し、その内容の評価ができない、あるいは劣勢な立場に立たされることは共通しますが、接触経験の蓄積という意味では、市民自身や社会レベルで格段の違いがあり、セカンド・オピニオンを成立させる環境そのものも大きく異なります。やはり、ここは医者と弁護士は同一化できない現実があると思います。
さて、医療過誤にスポットを当てている一般の方のブログで、昨年「弁護士とのつきあい方」というエントリーがありました。このなかで、医療事件の原告と弁護士の関係として、次の4つのパターンが紹介されていました。
①「弁護士は裁判所へのお使い」型
②「弁護士は伴走者」おつきあい型。あるいは、競馬型
③「弁護士に丸投げ」全権委託型
④ 同じ丸投げでも、無理矢理「丸投げさせちゃう」弁護士。全権独裁型
詳しくはお読み頂ければと思いますが、弁護士の方ならば、タイトルだけでも大体想像がつくかもしれせん。このブログ氏の区分を簡単に説明すれば、①は「弁護士はあくまでも『代理』人。裁判のお手伝いさん」。原告が最も主導権を握り、最も負担が大きくなる。前記した「弁護士は使うもの」という発言のパターンですが、だれでもなれるものではありません。②はともに裁判を闘おう、というスタイル。ブログ氏も言いますが、原告・弁護士間の「ベストの関係」ですが実はバランスは難しく、原告側も努力しないと弁護士に手を抜かれることも。
③は、弁護士がすべてをこなす。原告の負担は最も少ないが、結果は運任せ。良い弁護士に当たればいが、「外れ」を引く可能性もあり、その違いが大きい。巧みに弁護士が手を抜くこともできるし、「外れ」を市民側は気が付かないこともある。ブログ氏はこのタイプが一番多いが、「原告が怒りまくるのもこのタイプ」としています。そして、④は主導権を完全に弁護士が奪い、「まあ、見ていろ」という風に勝ちにゆく弁護士。頼りになり、勝率は高いが、こういう弁護士の絶対数が少ないと。
さて、この関係は医療事件に限らず、基本的な裁判に臨む弁護士と依頼者・市民の間で作られる関係のように思えます。そして、増員によって、競争による淘汰が始まろうとしている弁護士との関係、もしくは「質」の保証を二の次に、弁護士を社会に放出するなかでは、②~④のいずれもが市民にとって油断できないものになりかねません。
③では余裕のなさ、経済的に効率がいい仕事を選ばざるを得なくなる傾向、ビジネス化の傾向が強まれば、手抜きのリスクは高まるし、能力が均一化しなければ、より「外れ」を引く可能性は高まります。そして、②④では、いうまでもなく言葉巧みに市民の気持ちを引きつけて、必ずしも裁判や紛争解決を適正・妥当な解決に導けない弁護士たちの影響を受ける形になります。
ブログ氏は、「弁護士を乗り気にさせるのも原告の腕」としていたり、弁護士を「職人」として、大工さんや料理人と同じに、彼らを立てつつうまく使うことを提案しています。それは間違っているとは思いませんが、今、進んでいる「改革」の先にある社会では、むしろ市民がそれをできる関係も環境そのものも、さらになくなっているのではないかという気がするのです。
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